量質転化の法則

『量質転化の法則』は物理学の『相転移』に例えるとわかりやすいかと思います。相転移とはある相が他の形態の相へ転移することをいい、たとえば「氷から水、水から水蒸気」に変わるように「ある一点の閾値(しきいち)を越えた瞬間に別の物性(物理的な性質)に変わる」ようなことを言います。
これを努力に置き換えると、「何もしない人がいきなり成功することはありえないが、地道に努力を続けている人は"ある日突然"成功する」といえます。

ただしこのとき、”悪いやり方で量をこなすと、悪い質に変化してしまう”ので注意してください。たとえばゴルフの練習で、自己流の悪いフォームで何度も繰り返して練習すると、間違ったスイングで打つ技術が身についてしまいます。そのときやるべきなのは、「なぜ真っすぐ飛ばないのか?」と考え、レッスンビデオやコーチに教わりながら「どうしたらうまく打てるか?」と試行錯誤してフォームを改良していくことです。

たとえば私の場合、
・ジョギングは長い時間をかけて長い距離を継続して走ることに重点をおき、タイムよりもフォームを重視して正しい走り方を身につける。
・新しいプログラミング言語を覚えるときは、できるだけ多くコードを書き、それから良い書き方(無駄がなく、保守性が高く、パフォーマンスの良い書き方)を身につけていく。
などが当てはまるかと思います。

私はこれらの行動を数値化して目安にしているのですが、占い師さんは自分が占った人数について「数字が気になっているようじゃまだまだ足りないってことです」とおっしゃってたので、私もまだまだですね。

大切なのは、ただ闇雲に量をこなすのではなく「量をこなすためにはどうすればいいか」を考え、さらに「質を高めるためにはどうすればよいか」考えながら努力することです。

■量質転化を狙った成功の5ステップ
1.出来るかどうかはともかくまずはやってみる。
     ↓
2.出来なかったら、「どうすれば出来るのか」方法を考える。
     ↓
3.その方法を試してまだ出来なければ「他に何が足りないのか」また考える。足りないのは努力か?金か?時間か?能力か?運か?
     ↓
4.足りないものを今の自分が持っていなければ、それを手に入れる努力をする。自分の手に入れられないものだったら人の助けを借りることも考える。
     ↓
5.目標を達成したら、さらに大きな目標を掲げて1に戻る。

大切なのは出来ない言い訳をするより、「どうすれば出来るか」を考え続けることです。
成功する秘訣は、この「トライ&エラー」を続けることです。小手先で効率よくやろうとしても表面上うまく見えるだけで築き上げたものが違います。
努力をしている時間は長く
達成は瞬間
しかしその感動の記憶は永遠
福島正伸 ~夢を実現する今日の一言~ より

量が質に転化すると、普通の人は量をこなさなくなります。
天才とよばれるような人は、質に転化したあとも量をこなし続けたのではないでしょうか。

最近ですと、ソフトバンクの孫正義さんなんて量を質に転化させたお手本となる人物ではないでしょうか。この本では孫さんがいかに生活すべての時間を注いで努力してきたかが描かれています。